「鍛えれば強くなる」が当てはまらない部位

関節は使いすぎると消耗しやすい部位

 

 筋肉と骨は何歳になっても鍛えれば強くなります。

 

でも関節は、回復が遅く、酷使することで消耗しやすい部位なんです。

 

 なぜかというと、関節内には血管が走っていないので、新陳代謝(構成組織の入れ替わり)が非常に遅いことにあります。

 

つまり、酷使されると回復が追いつかなくなるということ。そして痛めてしまうとなかなか治りません。

 

 最もよく行われる有酸素運動といえばジョギングです。

 

ジョギングは着地の衝撃が結構強い、ハイインパクトな運動でもあります。

 

 着地の衝撃は一般的なジョギングで、体重のおよそ3~4倍。

 

普通歩行の1.5倍程度と比べるとかなり大きいです。

 

 たとえば、ジョギングのような運動を週60分以上行っている人では、

 

週15分未満の人に比べて、膝関節の骨棘(変形性膝関節症の診断指標の1つ)が

 

形成されている人の割合が、3.5倍だったという研究報告もあります。

 

「鍛えれば強くなる、鍛えていればいつまでも元気で若いときと変わらずいられる」

 

という話は、関節には残念ながら当てはまらないんです。

 

 このことは、よく運動をしている人が陥りがちな典型的な落とし穴です。

 

消耗品である関節をいたわり、無理のない運動をするようにしなければいけません。

 

 ジョギングのようなハイインパクト運動は、膝や足首などの関節への負担が大きくなります。

 

ですから、関節への負担を軽減する工夫をしなければいけません。

 

 まず衝撃を受け止める靴は、底の厚い、衝撃吸収性のよいものを選びましょう。

 

レース用にスピードを追求したシューズなどは軽くてよいのですが、普段使いでは使わないほうが賢明です。

 

 走る所も、可能であればアスファルトよりも柔らかい、土や芝生の上を利用します。

 

 また、自転車や水泳などの運動なら、関節への負担が極めて小さく、ローインパクトな運動になります。

 

ハイインパクトなジョギングだけでなく、別のローインパクトな運動に一部切り替えれば関節の負担をそれだけ減らせます。

 

また、痛みがあれば絶対に無理をしない。

 

 痛みの出ない頻度、強度、量で行う。

 

ジョギングをこれから始めるという人はいきなり長距離を走らずに、

 

短い距離

ゆっくりしたスピード

 

から始めて徐々に関節(だけではありませんが)を慣らしていくことも、とても重要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

前の記事

砂糖の日

次の記事

免疫力アップには?