半月板損傷
こんにちは!!
島田です。
今日は『半月板損傷』についてです。
半月板損傷とは?
半月板(はんげつばん)は膝関節の大腿骨と脛骨の間にある三日月に近い形(C型)をした軟骨に似た組織で、内側と外側にそれぞれあります。
半月板には膝関節の滑らかな動きを助ける重要な役割(荷重の伝達分散、関節安定性の寄与、潤滑の補助)があります。
半月板は周辺部の10-25%までしか血行がなく、それ以外の部位の損傷は自然に治癒しないため、多くの場合、手術が必要となります。
原因は?
スポーツなどの怪我から生じる場合と、加齢により傷つきやすくなっている半月に微妙な外力が加わって損傷する場合とがあります。
前者では、体重が加わった状態でのひねりや衝撃によって半月だけが損傷するものと、前十字靱帯損傷などに合併して起こるものとがあります。
半月は加齢に伴い変性するので、40歳以上ではちょっとした外傷でも半月損傷が起こりやすくなります。
体重が負荷した状態で屈曲した膝関節に回旋する力が加わると、半月板が大腿骨と脛骨に挟まれた状態で無理な力が加わり、半月板に損傷を受けます。
これはスポーツで起きることが大部分ですが、スポーツ以外でも立ち上がる際や膝を無理に捻った時などに発生します。
症状は?
痛みとともに膝の曲げ伸ばしの時にキャッチング(引っかかり感)が出現し、ひどい場合には急に膝が曲げも伸ばしもできなくなるロッキングという状態になり歩けなくなる程痛くなることがあります。
関節の中で炎症を起こして水が溜まって腫れたり、出血して血液が溜まることもあります。
痛みを伴う、ひっかかり感や膝がまっすぐ伸びないなどの症状がしばしばみられます。
安静時に痛みがなく、階段昇降時や膝の屈伸時などの動作時のみに痛みやゴキッと音を伴うことがあります。
断裂した半月板が関節に挟まるといわゆる「ロッキング」という現象を生じ、膝の曲げ伸ばしが急にできなくなることがあります。
膝関節に水が溜まることもあります(関節水腫)。
診断について
徒手検査や症状の経過からも予測可能ですが、単純X線(レントゲン)写真では半月は写りません。
症状や診察で半月損傷を疑えばMRI検査を行います。
MRIは非侵襲性で半月損傷の病態や合併する靭帯損傷の診断にも有用です。
治療方法
断裂してしまった半月板を薬物やリハビリテーションで治療することはできません。
ある程度重い症状がある場合、手術しかその症状を改善する方法はありません。
手術は入院が必要ですが、比較的短期間で体の負担も最小限です。
リハビリテーションや抗炎症薬の処方など保存的治療で症状が改善する場合がありますが、改善しない場合には手術を行います。
手術法には切除術(損傷した部分を切り取る)と縫合術(損傷した部分を縫い合わせる)の2種類があり、通常は関節鏡を使った鏡視下手術を行います。