胸郭出口症候群

こんにちは。
島田です!!!

今日は『胸郭出口症候群』について

胸郭出口症候群とは?

腕を上げる動作で上肢(腕)や肩甲骨に痛みや痺れがでる症状のことです。
また、前腕尺側と手の小指側に沿ってうずくような、ときには刺すような痛みと、しびれ感、ビリビリ感などの感覚障害に加え、手の握力低下と細かい動作がしにくいなどの運動麻痺の症状があります。

手指の運動障害や握力低下のある例では、手内筋の萎縮(いしゅく)により手の甲の骨の間がへこみ、手のひらの小指側のもりあがり(小指球筋)がやせてきます。

鎖骨下動脈が圧迫されると、上肢の血行が悪くなって腕は白っぽくなり、痛みが生じます。鎖骨下静脈が圧迫されると、手・腕は静脈血のもどりが悪くなり青紫色になります。

原因は・・・
上肢やその付け根の肩甲帯の運動や感覚を支配する腕神経叢(通常脊髄から出て来る第5頚神経から第8頚神経と第1胸神経から形成される)と鎖骨下動脈は、①前斜角筋と中斜角筋の間、②鎖骨と第1肋骨の間の肋鎖間隙、③小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部の後方を走行しますが、それぞれの部位で絞めつけられたり、圧迫されたりする可能性があります。
その絞扼(こうやく)部位によって、斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群(過外転症候群)と呼ばれますが、総称して胸郭出口症候群と言います。胸郭出口症候群は神経障害と血流障害に基づく上肢痛、上肢の痺れ、頚肩腕痛(けいけんわんつう)を生じる疾患の一つです。

なで肩の女性や、重いものを持ち運ぶ労働者で、上記の症状があれば、胸郭出口症候群の可能性があります。
鎖骨上窩の頸椎寄りのところの触診で、骨性の隆起を触れば頸肋の可能性が高いです。

腕のしびれや痛みのある側に顔を向けて、そのまま首を反らせ、深呼吸を行なわせると鎖骨下動脈が圧迫され、手首のところの橈骨動脈の脈が弱くなるか触れなくなります。
座位で両肩関節90度外転、90度外旋、肘90度屈曲位をとらせると、手首のところの橈骨動脈の脈が弱くなるか触れなくなり、手の血行がなくなり白くなります。
また、同じ肢位で両手の指を3分間屈伸させると、手指のしびれ、前腕のだるさのため持続ができず、途中で腕を降ろしてしまいます。
座位で胸を張らせ、両肩を後下方に引かせると、手首のところの橈骨動脈の脈が弱くなるか触れなくなります。

X線(レントゲン)検査で肋鎖間隙撮影(鎖骨軸写像)で、鎖骨や第1肋骨の変形によりこの間隙が狭くなっていないか確認することが必要です。

治療法は・・・
原因となる斜角筋、小胸筋などの筋の緊張を緩めることや、症状が軽いときは上肢やつけ根の肩甲帯を吊り上げている僧帽筋や肩甲挙筋の強化運動訓練を行なわせ、安静時も肩を少しすくめたような肢位をとらせます。
肩甲帯が下がる姿勢が悪い症例には肩甲帯を挙上させる装具が用いられます。消炎鎮痛剤、血流改善剤やビタミンB1などの投与も行なわれます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

前の記事

カレーの日

次の記事

好みのラーメン